障害者シンクロフェスティバルを観て感じた可能性

スポーツに関わる活動を色々とやるようになって、日本障害者シンクロナイズドスイミング協会の方と出会い、「障害者シンクロナイズドスイミングフェスティバル」にご招待頂けることになりました。

障害者シンクロって?という状態でしたが、水泳発展のためには競泳だけを見ていても仕方ないと思い見てきたところ、水泳の新たな可能性を感じることができました。

障害者シンクロナイズドスイミングフェスティバルとは

この障害者シンクロフェスティバルの目的はというと、以下を目的にしているとのことです。

『障害のある人とない人が,ともにシンクロに取り組むことでノーマライゼーションを図り,全国の仲間が一つの場でシンクロを発表し合うことでお互いの交流や技術の向上,障害者シンクロの普及を図ること』

もともとは日本の大会として行なわれていた大会ですが、今回は、アメリカ,ブラジル,イタリア,メキシコ,台湾の選手が出場されています。

12日(土)は、海外からの選手も迎えて日本作成ルールでのソロ競技会が開催され、13日(日)は、日頃の練習の成果を発表するフェスティバルを開催されました。。

 

参加のルール

競技はいくつかあるのですが、以下の演技種目があります。基本的にはチームの半数以上が障害のある人であれば参加はOK。

ソロ 障害のある人1名で演技
デュエット 障害のある人1名以上、計2名で演技
トリオ 障害のある人2名以上、計3名で演技
チームⅠ 4名~8名で半数以上を障害のある人で演技
チームⅡ 9名以上で半数以上を障害のある人で演技
フリーコンビネーション 10名以上で半数以上を障害のある人で演技

 

障害の区分について

障害者の方は見た目で分かりやすいかたと分かりづらい方がいます。この大会では以下のように障害者を区分していました。

障害区分 番号
上肢障害(肩関節より先の離断、切断、機能障害)
下肢障害(肩関節より先の離断、切断、機能障害)
上下肢障害(3肢以上または片上肢下肢体の障害)
体幹機能障害(カリエス等により亀甲背など)
脳原性マヒ以外の車イス利用
脳原性マヒによる肢体不自由
視覚障害
聴覚言語障害
知的障害
内部障害 10
精神障害 11
障害なし 12

合計で279名の方が参加されるイベントとなっています。
ちなみに障害の方が166名、障害なしの方が113名参加されています。

 

大会の様子

大会の中では普通に車イスの方がいたりと、個人的には結構びっくりするのですが、みなさん慣れた感じで演技をされていきます。

もちろん、個々人によっての演技差は激しいものの、それでもみなさん一生懸命にやられていて感動するシーンが多々あります。

車イスの方などは、以下の写真のように介助があったりしながら、プールに入水されていきます。

ちなみにプールの水深は1.2m程度しかなく、足を付いて演技してもOKです。

ソロ競技会は演技が終わった後には採点が行なわれますが、フェスティバルの方では、演技に対する講評が行なわれます。

 

また、フェスティバルでは、順位はつきませんが、印象の深かった演技に対して『ナイスシンクロ賞』が贈られます。

 

フェスティバルで感じた可能性

僕個人としてはプール=泳ぐものと思ってましたが、そうじゃないんだなぁ、と強く感じました。

他のスポーツとの差別化ポイントなんて、あまりないと思っていましたが、水泳においての大事なポイントは『無重力』なんだと思いました。

何故かというと、ご高齢の方や、障害を持っている方にとって、重力は敵なんですよね。陸上では非常に動きづらい。
ところがこの方々がプールに入ると活き活きと動き出す。衝撃的でした。

また、重度の障害で自分で動くことが出来ない方とも一緒に演技をすることが出来るというのも非常に可能性を感じたひとつにあります。

言葉を選ばずに言えば、一般的な演技のレベルには遠く及びませんが、それでも障害の重い人はパートナーと共に音楽に合わせ、笑顔で手足を動かし、演技を楽しんでいます。

この写真に写っている奥の方々の障害がどの程度かはさておき、このように補助された状態で演技をされています。

 

きっと障害を持った事で悩まれている方はたくさんいると思います。ご本人もそうですし、親御さんもきっとそうなのだと思います。

その悩んでいる方々にとって、悩みを解決できる手段の一つとして、水泳が機能していくことができるのではないか、そう強く感じました。

 

水泳に詳しいと勝手に自負していましたが、まだまだ足りないことが多々あるんだなぁと思う二日間でした。

大会出場された皆様、関係者の皆様、お疲れ様でした。