▼『イチロー思考』
著者:児玉光雄
出版社:東邦出版
▼Point
ブルーナーがある実験をしている。小学生を二つのグループに分けて立ち幅跳びをさせた。ひとつのグループには、「記録を更新する」という目標を掲げた。もうひとつのグループには、「自分のベストを尽くす」と公約させた。成績が良かったのは明らかに後者であった。
非常に興味深いポイント。何か目標ができてしまうとそれが壁となる。自分の力を超えすぎた目標ではなく、自分のベストを尽くす。昨日よりも0.01秒でも早くなることを目指す。
日本のピッチャーは綺麗で、投げていて気持ち良いボールを投げようとする。でもアメリカのピッチャーには綺麗なボールではなく、バッターが嫌がるボールを投げようという意識があるんでしょう。
元々ピッチャーがやるべきはこっちだと思う。ピッチャーという役目で考えるならば。いかに相手に打たれないか。これを追求する。綺麗なボールではない。仕事も同じだと思う。ルールはあるけれども。
ペンシルベニア大学の心理学チームの研究でも、「自信を口にする選手はそうでない選手に比べて明らかに良い競技成績を残す」ことが証明されている。
自信を表現することには責任が伴い、それによって自分が鼓舞される。ビックマウスすぎるのも良くないが、常に多分とか、やれるだけ、とかそういう言葉はマイナスな結果を引き寄せる。
僕の中のスランプの定義というのは、「感覚をつかんでいないこと」です。結果が出ていないことを僕はスランプといわないですから。
スランプ=結果が出ないこと、とはっきりと言えるのは凄いと思う。
スランプ→感覚がつかめない。感覚がつかめない→結果がでない。そうわかったとき、意識は結果ではなく感覚に向く。良い時の感覚はなんだったのか、何が違うのか。それがわかればスランプはスランプでなくなる。
21打席(18打数)ヒットがなかったんですけど、実際はそのうち12打席はヒットにできると感じていましたからね。
こう言えるのは凄い。ここまでの、感覚を持てることが素晴らしい。うまくいっていなくとも自分は間違ってないと思えれば、間違いなく結果がついてくる。
交通事故さえなければ、きっとピッチャーを目指していたと思います。でも、事故のおかげで速い球が投げられなくなった。結果的に打者としてプロを目指すきっかけをつくってくれたのは、この交通事故なんですね。
全てのことは意味があり好転するきっかけであることをまさに体言している。一般の人はここでひたすらに文句をいう。文句は何も生み出さない。いかにポジティブに捉えられるか、捉えられるように自転車を走らせられるか。人生は自転車に似ていてゆっくりしたスピードほどふらふらしてしまうのだから。
▼感想
感覚として自分はイチロー思考と“似ていた”なと思う。今は少しずれてしまっているなぁと感じた。まだまだ成長できるはずなのに、過去できていた事が出来ない。
こんな状況は直ぐに脱しなければいけない。
改めて今の状況のまずさと、思考の重要性を感じた。
しばらく現役を退いたアスリートこそ読んで気付きが得られるのとが多いのではないだろうか。
▼目次
- イチローの行動パターンに学ぶ
- 自らを進化させる法
- 仕事と向き合う姿勢
- 逆境からの教訓
- 目標に挑む心理
- 困難へのチャレンジ
- 夢を実現する過程
- 充実した人生を過ごすために