サインシステム計画学 を読んで

▼『サインシステム計画学』

著者:赤瀬達三
出版社:鹿島出版会

▼Point

各競技場への案内は徹底して競技シンボルで行われた。(中略)
言語の障壁を超えたコミュニケーションシステムとして引き継がれていく事になった

今までは言葉で説明していたものを誰が見ても一瞬で分かるようにしたこの発見は素晴らしいと思う。
まさにユーザーの為を考えた徹底的なデザイン。
通じない可能性もあるのに徹底出来た事もまた凄い。

ピクトグラムは、実用段階の淘汰を経ないと公共的言語になりにくい。

どうやって万人が認識できるモノをつくるか。今では当たり前の男女マークもこの頃は間違えていた。
それを補うように文言をつけては意味が無いし、ただ文言が無いと通じない、ジレンマ。

快適性の階層
 レベル1 安全性
 レベル2 利便性
 レベル3 居住性
 レベル4 ユーザー満足度

デザインというと先天的なセンスを考えてしまうが、デザインは全く感覚的なものではなく、
しっかりと理論立って説明ができることなんだなぁと感じる

 

▼感想

非常にボリュームが多い一冊。かなり時間をかけてじっくりと読みたい本。デザインというとどうしてもセンスの塊のようなイメージがあったが、全体を通して、どうやって設計をしていくのか、などということが分かった。

非常に事例などが多い一冊で、写真があり非常にイメージがしやすい。

サインという日常を邪魔しないで利便性を高くするような制約の多いものだからこそ、勉強したほうが良い内容だとも思った。

本ブログでも可能であれば中の画像なんかも紹介したかったが割愛している。

 

おそらくそのときでは最高のデザインをしているはずで、素材も変わっていないにもかかわらずより良いサインが出来てくることは、まだまだサインには能力があるんだなぁと思った。

 

▼目次

  1. 最初の試み
  2. 方法の模索
  3. 概念の展開
  4. 基準の提言
  5. 意味論
  6. 機能論
  7. 計画設計論
  8. マネジメント論